許諾の駒

 神鷹 :そんな矢ではわしには痛くも痒くもない

    君の攻撃は無意味だ。はて…

    一体…

    何故そのように笑うのじゃ?

 

ササ :俺は、この日の為だけに、生きていたんだ

 


 

修羅 :お前には大いに、期待している

    お前は土砂崩れで潰れた家の下敷きになったのだ

    体も魂も深く傷つき死んだも同然だった

    俺が自分の糸と特別な欠片でお前の魂を治し、体もまともに動くように治しておいた

    お前は俺に何をしてくれるだろうか?

 

ササ :お、俺は…俺は… 持ってるものが何も…

 

修羅 :ない? いや、たった一つあるではないか

    その命

    俺が貴様に与えたその命

    お前はそれを俺の為に使えるか?

 


 

ササ :神鷹!

    神鷹は他の幽鬼とは違って鬼体が全て煙ですよね!

    だから気で攻撃してもびくともしないが!

    神鷹にも!

 

 

[今日からお前は狩人だ]

 

 

ササ :魂心はあるんでしょう!

 

 

[お前が狩るべきものはただ一つ]

 

 

[それがお前の最初で最後の狩りになるだろう]

 

 

神鷹 :魂心はわしにもあるが、

    こんなおもちゃでは歯が立たん

 

ササ :分かってる

    自分の力では無理という事くらい、

    十分に分かってる

    俺が出来ることは…

    俺がすべきことは…

    ただ近づくことだけ。いつだって。

    一番近くで監視して、

    観察して、

    こっそり手のばし、

    自分の体を通じて力を伝える為に

    俺はその為に生きている

 

修羅 :お前はただ見つけ出して、

    手を伸ばし触れるだけで良い

 

ササ :ああ…!

    ついに…!

 

神鷹 :最初からわしの魂心に近づくのが目的だったのか

    お前は本当に特別な狩人のようだな

    だがだとしてもおぬし程度の力では...!

 

ササ :そうです

    自分の力では出来ない

 

神鷹 :くっ、うっ、これは !

 

 

学生 :何、神鷹はどうしちゃったの?

 

 

アゲハ:あれっ、神鷹外に出てるじゃん?

    どうなってるんだ?

 

カウリ:何かわからないが良くはなさそうです

 

 

神鷹 :くうっ、う…!

    こいつ… お前は…!

    修羅の力を…!

    わしの魂心に直接伝えているのか…!

    

    貴様ら…!

    あ…ああ…!

    いかん!

    雨和院は...  !

 

 

アゲハ:うわっ、何だ!

 

神鷹 :いか…ん…!

 

アゲハ:し、神鷹!

    雨和院の所有者である神鷹が…

    消滅した…!

    なら「許諾」は…

 


 

番人 :長老! 雨和院の方の気が!

 

長老 :これは…「許諾」が…

 


 

番人 :うううう 全部話しました~

 


 

「許諾」が…

 


 

狩人 :この揺れ… 成功か!

   「許諾」が、崩れる!

 


 修正日:2023/10/01



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