灰と炎6

 カウリ:くぅっ、畜生…!

 

    ううっ!

    これは一体…

 

アゲハ:おい、ちょっと変われ。 俺がみる。

    これは…初めて見るが…

    気に完全に覆われた空間なのか…

 

カウリ:怨霊の気です

 

アゲハ:怨霊…

    くそ、危険だ... いつでも恐ろしいものに変化するのが冤鬼だろ

    普通の人間でなく白魔地の首長の怨霊だと

    うっ!

    これは… 魂だけに影響を与えるのか?

    そんなに痛くないけど...

    こいつ… 俺の気を吸い始めた…!

    くそ!

    離すと余計くっついてくる…!

 

カウリ:ア…ゲハ…

    誰だ!

 

    貴様は何だ? 近くに居た雑鬼か?

    ……

    それにしては級が高く見えるが

 

    うむ… ひどい「空虚」だな。

    貴様は「修羅」の一部か?

    目があるべき所に星のようなものが…

    …まさか、

    お前が「夜の神」か?

    消滅して死んだはずなのに、何故…!

 

アゲハ:カウリ。そいつは、

    「記憶」だよ

 

カウリ:え?

 

アゲハ:記憶の糸の集合体

    自分の意志で行動する魂じゃない、

    ただ記憶が集まって形を維持してるんだ

    あれはまるで…

 

カウリ:「ソトン」にいた図書に似ていますね。

    なら… こうして現れたのは、

    読んでくれという意味だろう。

 


 

夜の天:…… この呪術は…

 

朝の天:子供を二つに分けてくれ

    その呪術なら君に出来るだろう?

    本来一つであった子供が二人になれば、互いに完璧に気が合うだろう。

    我らのように、

    それぞれ朝と夜の天を任せるのだ

 

夜の天:……でも、

    異なる体に分かれた二つの魂が気が合うと断言出来るだろうか。

    それにそうやって分けてしまうと、

    片方の魂を傷つけたとき、

    同じ痛みを感じるようになるはず…

 


 

修羅 :ああ、兄者

 

森羅 :…こんな見る惨たらしく壊れるなら、

    いっそ全てやめてしまえば良いものを

    何でそんなにバカなんだ。死んだ者は還らないという事を何故理解しない。

    何故諦めきれない…

    そんな姿になってまで…

 

修羅 俺を叱りに来たのか。

 

森羅 いや、僕は弟者を迎えに来た。

    僕のこの手で直接、

    弟者をあの世に連れて行くつもりだ…!

 


修正日:2023/10/02



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