蜘蛛の檻15

カホン:くっ…いけません… 

    殿下ー!

 

三門将:将軍!

    無事だったんですね、将軍!

 

カホン:殿下…

    殿下、殿下!

 

三門将:止まってください、将軍!

    あの場所に近づいては死にます

 

カホン:殿下が-

 

修羅 :心配するな、殺そうというのではない

    まだな

 

カホン:あんたは-!

 

修羅 :あれは罠だ。 神竜を捕らえるためのな

    神竜というのは神源にその根本があって、

    網を投げたり手で掴んで捉えられるものではない

    ゆえに気を捕らえるしかないのだが...

    神竜を捕らえる程膨大な量の気を扱うのは大変な事だ

    だが体が気で構成されてる幽鬼を使えば...

    見ての通り、意のままに扱いが容易くなる

 

カホン:この野郎!

    貴様、何の真似だ! 罠だと? 殿下によくもこんな事を…

    すぐに離せ!

    今すぐにあの雑鬼供を退かせろ!

 

三門将:将軍!

 

カホン:クウッ…そうか…と言う事は、あんたがあの罠を仕組んだのか

    封印の一族を皆殺しにしたのも…

 

修羅 :そうだ、全て俺の計画だ

 

カホン:この野郎-!

    (な、何だ?)

    (動けない!)

 

修羅 :...あれから偉くなったようだ。到来の最高将軍か...

    だがまだ少々足りぬ

    俺が5年前にした話を覚えているか?

 

カホン:…英雄が必要だと

 

修羅 :野渦討伐の立役者

    北到来を代表する最高将軍

    こんなものではダメだ

 

カホン:何の…ことだ

 

修羅 :英雄というのは何だと思う、将軍

    俺の考える英雄というのはな、

 

カホン:うっ!

 

修羅 :何だって成し遂げたゆえに、今後もなんとかしてくれそうな者だ

    すべき事を一つをやろう

    極めて重大な任務だ、

    これでお前は誰もが認める到来の英雄となるだろう。

    捕われた神竜を救うのだ

    残虐な群衆に捕まったお前の王を救いだせ

 

カホン:勿論そうするさ、今すぐに!

 

三門将:将軍!

 

修羅 :いや、駄目だ

    今はまだいけない

 


 

カホン:...う、ううくっ

 

三門将:将軍!

 

カホン:三門将…

 

三門将:...やはり消えましたね。

 

カホン:何...です?

 

三門将:将軍の頭の上にあった手です

 

カホン:あ…

 

三門将:あの時、将軍の目がしばらく青銅鏡眼だったのと関連があるかと

    今はもう元に戻りました

 

カホン:そのようだ...何となく頭上に喪失感が

    ところでここはどこ...

    殿下は!

 

三門将:少し落ち着いてください将軍!

 

カホン:こうしてる場合ではない、殿下を...

    ここは何処ですか、3門将!

 

三門将:芯到来です!

    将軍、今二日ぶりに目覚めたのです。急に動いては駄目です!

 

カホン:二日...!

    その間に...殿下は

 

三門将:くまなく探しましたが全く手がかりがありません

    あんなに襲撃していた狩人達も静かで…

    既に首都には噂が広がっています.

    殿下が...消えてしまわれたと

 

    将軍!

    どこへ行かれるつもりです!

 

カホン:このままじっとしている訳にはいかない

    どこであろうと探してみなければ!

 

三門将:将軍!将軍は今混乱されています!

    芯到来の兵士たちが全力で探しているので-

 

    将軍!

    …あの日、俺たちが見た…

    将軍の叔母様と、火砲を持った男の事です。

    全員遺体で発見されました!

    それも既に死後かなり経っていた!

    死体だったそうです!

    それも操られる…

    封印の一族皆殺しに…神竜をも捕らえて!

    転がってる死体も操って!

 

    我々が相手にするのはそんな輩です

    そんなボロボロの体で闇雲に探し出せる相手ではないのです!

    将軍はひとまず安静をとって、追跡隊を編成してしっかりと準備を…

 

カホン:そんな時間はない

    その間殿下に何かあったら何の意味もない

 


 

<ふぃるる先生コメント>

残念ながらカホンの青銅鏡眼は使い捨てでした〜

 

修正日:2023/09/07



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