蜘蛛の檻1

 アゲハ(疫神):マウンの郭が…閉じた。何がおきたんでしょう?

    …スチョン

 

    くそ!傷もつかない!

    ならば…

 


 

マウン:(何がお前に苦痛を与えたのか)

    (何が貴方の恨みになったのか)

 

 

叔母 :またこんなに怪我をしてきたのね

    やれ、一応薬をつけておこう

    痛くても我慢してね

 

    どうしましょう、あの子は…

    青銅鏡眼ではない子供が生まれるとは…

     あの子がこの封印の山で堪えられるだろうか

    幽鬼達がいたずらをしたくてうずうずしてます

    彼らを見れないからさらに調子にのって...

 

 

マウン:(嗚呼。生前に封印の一族だったのか)

    (雑鬼を集め山に閉じ込め一族全体が守った)

    (全ての封印の一族は皆青銅鏡眼を持って生まれるが…)

    (例外がいたとは知らなかった)

 

 

 叔母:あの子の母も薄情だよ

    目でもきちんと譲ってあげて逝ければ.... 

 

幽鬼 :もうこの程度は軽く避ける 、こりゃ!

    ではこれはどうかな! 

    上手く避ける!

 

 

[見えもせず、聞こえもしないが、]

[明らかに何かが居るのがわかり…恐ろしかった]

[しかし怖がると、]

[さらに恐ろしい事が起こるのを知っている]

 

 

殿下 :うあああっ!

    アーアー...あらまあ..

    おっと、角が刺さってしまった、この角めが!

    坊や、この婆さんを助けてくれる?

    魔物のお婆さんを助けると良い事が起こるよ

 

カホン:お婆さんは魔物ではありません

    俺は魔物を見れませんから

 

殿下 :そうだね…私は実は魔物じゃない

    でもお婆さんを助けると良い事が起こるものだ!

    昔話は全部そうじゃないか!

    助けてくれる?

 

    ふむ...そうか

    幽鬼のいたずらを避ける為に素早くなったが...

    鍛えてはいないから力がないね

 

カホン:え?

 

殿下 :あ、いや。そのまま押してくれる?

    わああー本当にありがとうね、坊や!君のおかげで助かった!

    お礼に願いを叶えてあげる!欲しいものがあるかい?

 

カホン:…もう良いんです

 

殿下 :大変じゃないか?

    青銅鏡眼でないことが。

 

カホン:持ってたら他の苦労があったでしょう

    どうであれ苦労するじゃないですか

 

殿下 :ハハハハハハ!

    君がわずか十二歳とは!

    生涯生きたように話すのが面白い!

 

カホン:俺の年をどうして…

 

殿下 :そう、皆苦労している!でもそれが当たり前ではない!

    私は人間たちがもう少し苦労しないで欲しい!

    そうなるようにするつもりだ!

    どうかね。 坊や!

    私の仕事を手伝ってくれないか?

    青銅鏡眼がなくともできる事が、私の宮にあるのだよ

 


 

<ふぃるる先生コメント>

カウリ過去編を始めます:)

 

修正日:2023/09/06



コメント: 1
  • #1

    ぴょん吉 (土曜日, 24 3月 2018 17:47)

    あああ…子カホン!!!
    なんと可愛らしいのでしょう…。