森羅 :干し柿あるけど、食べる?
それとも餅? 少し固いが米蜜つけるとおいしいよ!
セスル:食事はいい
森羅 :ああそうかい?
セスル:それより、話があるから出てきたんだろ?
森羅 :……
麦茶が良い?水正果が良い?
セスル:あー食べる物はいいって!
森羅 :だめだよ、そんなんじゃ-
生屍は特によく食べろと僕が何度も言っただろう!
しっかり食べれば肉が腐っても新しい肉が早くつくんだ!
セスル:こんな種…使者について行ったほうが良い、
何か富貴栄華を享受せんが為にこう生きているのか…
森羅 :ハハ、君があの世に行ったら寂しくてどう生きていけばいい
そうだ、君の体はどうなの。
僕があげた薬はよく塗ってる?
肉の出来る速度が遅くなったりはしなかった?
セスル:変わらないさ、まあ。薬もちゃんと塗ってるよ。
殆ど無いから買い付けも兼ねてきたんだ
ところでそんな話をするために出てきたのか?
森羅 :あー
……
あの時鬼の傷痕の事だ
ああ、その胸元に輝く糸があるだろう?
セスル:ああ、あれ
どっかのバカが時鬼の胸に時の糸を縫い込んだやつな
森羅 :そう...本当に狂気の沙汰だ
糸がなかったらとっくに消滅してたのだが...
その時の糸があの時鬼に多大な影響を及ぼしているという事さ
セスル:影響?
森羅 :気の密度が特に濃いのだが、
あれは間違いなく人間の時の糸だ。人間の魂って事だよ。
あの時鬼は人間の魂を、
それも魂心のすぐ上に縫いつけて生きてるんだ
本来時鬼というものは、
人間の本性を忘れさせる程深い恨みで生まれるが、
あの時の糸は忘れた人間の本性を再び呼び起こす
セスル:……それが何だ?
良い事じゃないの?
森羅 :世の中の万物はそれぞれに合った本性があるものなんだ
誰もが口をそろえて時鬼を悪と言うが、
狩りをし食べる事が時鬼の本性なのだからどうしようもない
だがすでに時鬼になった者に人間の本性が現れるなんて...
時鬼の本性は絶えず魂心と時の糸を欲しがるだろうし、
人間の本性は...その事に '罪悪感' を感じ始めていく
セスル:カウリあいつが罪悪感?おかしな事をいうぜ。まったく!
森羅 :すでにあの時鬼は、
人間のように生活し始めたじゃないか
カリ :体が無事なら良い
セスル:他でもないお前が '心配' してるみたいだから教えるんだ!
ふぅっ…もしばれても俺が教えたって言うんじゃねーぞ、お前
セスル:……
森羅 :…死者たちの
どうしても冥土に行けない...そんな深い深い恨みを晴らして、
本来あるべき所に送ろう、とこの仕事を始めたのに...
本性を逆らうのを嗾ける事になろうとは、全く…
酒を飲まずにはいられない気分だ
あの時鬼を君がしっかり見守ってくれ
本性と本性が心の中でぶつかり始めたとき、
どんな事になる分からないから...
カリ :それで、俺がいない間両足伸ばしてよく寝れたか?
ケジャラ爺
ケジャラ:ワシがいつ寝る時足を伸ばして寝た?
ワシが足を伸ばして寝たらくたばっちまう
カリ :ああ…この甲羅に入って寝てたのか
ケジャラ:!!
ウアアアアアアッ、うわあ!
カリ :なんの用で俺を探してた、爺さん
ケジャラ:離せこの馬鹿者!
今すぐ素直に下ろせないのか?!
カリ :用件を言え
床に叩きつけて甲羅を割られる前にな
ケジャラ:ひゃあああ うわあ!
カリ :1つ、2つ、
ケジャラ:客がきてる!
お前が人間の器に入って消えた頃から!
ずっとお前を出せとわしを責め立てるんだ!
お前は雨和院に居ると何回言っても聞かんのだ!
だからここでお前を待っていた、どうせその体は一年もたないんだから!
カリ :客だと。を探す者などいるはずない
でたらめを言うなら…
ケジャラ:時鬼!
お前以外にも生き残った時鬼がいて!
その時鬼がお前を探してる!
カリ :時鬼が俺を何故探す?
ケジャラ:そりゃわしも知らんー!わしも知りたいくらいだ うう !
カリ :……
ケジャラ:ぎゃあ!
カリ :案内しろ
ケジャラ:えへん-えーあのー
アロンいるのか。
カウリがついに現れたのだが−
[時鬼 アロン]
アロン:あら!
本当なの、おじいさん?
<ふぃるる先生コメント>
カウリはケジャラより古い幽鬼です
修正日:2023/08/23
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