ねんね5

コウ爺:うむ、よしよし

    泣き止んだらどんなに可愛いか!

 

アゲハ(子):ヒックヒック

 

コウ爺:良い子にしてるんじゃ

    えっ。

 

カリ :あやしてくれるのは有難いな、でも

 

コウ爺:うあああ-

 

カリ :何を企んでいる

 

コウ爺:うああっ‼︎

     企むだなんて何を言うんじゃ!

    なんで企んでるなどと思う!

 

カリ :雑鬼が何の企みもなしに動くか

 

コウ爺:どうしてそう考えが捻くれてる!

 

アゲハ(子):うぐ〜あうう…うあああ…

 

コウ爺:えええええええ!

 

アゲハ(子);ああー

 

コウ爺: やめろ うわああ! やめろ

 

カリ :先程母幽鬼に対して沢山話してたが

    ならば子幽鬼の外し方も話すものだ

 

コウ爺:えぐぐぐぐー

    だから母幽鬼が連れて行かねばならんのじゃ!

 

カリ :母幽鬼も赤子をいつまでも預けないのだろう

    いつどのように連れていく?

 

コウ爺:そりゃ子供が気を十分に貰えば連れて行くじゃろ!

    一日二日待てば連れて行くんじゃないか!

 

カリ :長すぎる

    今すぐ連れて行ってくれねば

 

    ふむ…こうしよう

    爺さんが母親を連れて来い

    そしたら俺があの人間の血を少し分けてやろう

    だが逃げるなら魂心を抜かれる覚悟をするのだな

 

コウ爺:分かった、分かった!

    母親を必ず連れてくる!

    ところでだね、

    知りもしない人間の血なら…

    ワシはむしろご飯を一膳貰った方が良いのだが…

 

カリ :何?

    大亀の洞窟であんなにも血を欲しておったのに

 

コウ爺:ほっ!

    この人間がその人間なの?

    年寄りは目が霞んで顔がよく分からんね

    赤子幽鬼の気以外まるで感じられなくて、

    体の主が誰かも分からんかった、ほほ

 

    えーじゃあー今から探しに行くかのう

 

カリ :(何だと... ?気を感じない?)

    (そういえば包帯を外して歩き回ってるのに、)

    (この年寄り以外絡んでくる雑鬼がいない)

    (それにこいつも赤子幽鬼について来たようなもの…)

 

コウ爺:よし、よし。 お爺ちゃんはちょっと行ってくるから、

    泣くじゃないよ、分かった?

  

 

カリ :今は意識がないでしょうから、

    俺が何を言っても無駄でしょう

    憑依が解けたら…話す事が沢山ありそうだ

    憑依状態で先生の気を隠せるなら、

    先生を密かに連れ出せるのではないでしょうか

 

    そしてそれは、

    俺だけが知る事実ではないでしょう、おそらく

 

アゲハ(子):あう

 

カリ :何ですか

    …全く

    普段もそんなに大人らしくはないが、情け無い姿ですね。

 

 アゲハ(子):ふえええ…え

 

(コウ爺:泣くんじゃないよ、わかった?)

 

 

アゲハ(子):あうー

 

カリ :今度は這うんですか

    ふぅ…

 

    確かに。今は何を言っても無駄なように見えますね

 

     …嘘をつきました

    生きていた時の記憶はないと言ったが…

 

    何かが残ってはいます

    まるで他人の記憶のように、ぼやけたものだが

    面白い事に、時鬼の日常とさして変わりません

 

    だから幼い頃の記憶も思い出せるはずもないし…

    子供のあやし方なんて知るよしもない

 


 

ハハハハハハ ハハハハハハハ ハハハハハ

 

貴様の四肢を八つ裂きにして、

その血を四神の土地天地にばら撒こう!

 

???:(殿下…)

 

 


 

<ふぃるる先生コメント>

今週もありがとうございます:>

 

修正日:2023/09/02



コメント: 1
  • #1

    りんご (木曜日, 29 3月 2018 09:44)

    久しぶりに読み返しに来ました〜
    赤ちゃんアゲハは勿論かわいいけど
    ここの見所は饒舌カウリさんですよね!
    珍しく自分語りしてるの…いい…(*´꒳`*)