ねんね4

カリ :俺が何故

 

ナリ :貴方力強いじゃない!

    さっき私が押さえた扉も普通に開けたし!

 

ウリ :そうね

    それナリが勝ったらナリがおぶったはず

 

ナリ :ねえねえねえ! ちょっと聞いて!

    貴方行ったらアゲハさんと一緒にお酒飲んだのは貴方だって言うわよ!

 

カリ :俺は酒は飲んでない

 

ナリ :飲まなくても一緒にいたじゃない!

 

ウリ :酒甕預けた時に貴方がいたの見たわ!

 

ナリ :貴方が一緒に居たのにこうなったと知られたら何を言われるかしら!

    カルセさんが小言を始めると基本一時辰よ!

 

カリ :俺は、本当に...

    なぜ学生が先生の面倒を見なかったからと叱られるんだ

 

ナリ :知らないの、カルセさんがどんなに変わり者か

    アゲハさんは先生ではあるけど、実際はまだ子供なの、子供

 

 

カリ :(カルセはどこか苦手だ)

    (個人的にはなるべく会いたくない)

    (どうせこの双子の前では雑鬼を無理に引き離せない…)

    (ひとまず合わせておくか)

 

 

ナリ :左の廊下人なし!

 

ウリ :右の廊下も人なし!

 

ナリ :よし、なるべく制圧館から離れよう!

 

ナリ :どうおんぶできる?

    大変なら交代してあげる!

 

カリ :いいから、ちゃんと前を歩け。行き先は?

 

ナリ :制圧館から離れていながら、人気のない場所に行かなきゃ!

 


 

ナリ :オッケー! やっぱり誰もいない!

    茂みに隠れてて学生達はあんまり知らない所よ!

    建物から遠く離れてもいるし

    広い岩もあってアゲハさんを寝かすにも良い

 

    さあ、そおっとそおっと-

    起こさないように気をつけて

 

    よいしょー

    ふう、上手くいった! それじゃ今から...

    私たちは行くから!

 

カリ :何?

 

ナリ :逃げないから心配しないで

    もう夕方だから来平堂を手伝わないといけないの

 

ウリ :行ってこの赤ちゃんを引き離す方法を教わってくる

    来平堂のおばさん達ここで長く働いてるから物知りが多くて

 

カリ :行くならさっさと行け

    (むしろ好都合だ)

 

ナリ :赤ちゃん見ててね!

 

ウリ :おいしいもの奢るから!

 

 

カリ :(憑依状態で無理やり魂を切り離すのは、)

    (まるで貼り付けた二つの紙を剥がすようなものだ)

    (どちらか一方が必ず傷つく)

    (あるいは両方とも)

    (だがこの赤子の幽鬼をそのままにしておいては…)

    (調子にのって気を喰らい続けるだろう)

 

アゲハ(子):ウウ...ウン…

 

カリ :その魂心は我のものだ

    雑鬼などと分け合うつもりはない

 

    我が何のために、

    このような滑稽な人間の真似事までして、

    こんな所にいるというのに...!

 

アゲハ(子):ううう…

 

カリ :くっ!

 

アゲハ(子):ううくっ...ううう…ふあぁああああん!!

 

カリ :(何だと…)

    (どうゆうことだ?)

    (雑鬼ごときがこんな力を…)

    (話もできぬ雑鬼が使える力ではない)

    (一体どうして…)

 

コウ爺:えあ-ちっちっち

    こりゃ見てられんよ呆れて

 

アゲハ(子):ああああん!

 

コウ爺:うむ、よしよしよし

 

アゲハ(子):うわん〜

 

コウ爺:うむ、そうじゃな。すごい怖かったのう?

    やれやれ、かわいそうに

 

カリ :貴様は…

    大亀の洞窟にいた奴だな

 

コウ爺:そんなに古い幽鬼が何故こうも使えんのだ!

    これだから時鬼ってやつは、ったく

 

アゲハ(子):ふあん〜

 

コウ爺:親の思いが力で無理やり引き離せると思うか?

    とんでもない、やれやれ!

 

アゲハ(子):うわわん〜

 

コウ爺:この子の母が荒い性格ではなくて良かった、

    その力だけ見れば武鬼よりも優れてる!

 

アゲハ(子):うわあん〜

 

コウ爺:母幽鬼本人が出てこなきゃ、

    誰にも幽鬼を払えないって事じゃ!

 

アゲハ(子):ヒックヒック!

 

カリ :ほう、

 

母幽鬼:ねんねこ ねんねこ 我が子よ 我が子よ よく眠る

 

カリ :そうなのか

 


 

<ふぃるる先生コメント>

今日でたお爺さんの雑鬼は「コウ爺」と呼ばれてます:)

 

修正日:2023/09/01



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