修羅 :神竜到来、よくも我に手を掛けるとは
受けたものは当然返さねばならぬ
カホン:(殿下、殿下…!)
(くそっ…)
(どうすれば殿下を助けられる?)
(神竜から賜ったのだ、並大抵の剣ではない)
三門将:将軍…?
カホン:殿下!
殿下、大丈夫ですか!
なんて事だ、体がこんなに裂けて...
角も…
信じられない、どうして…
何でこんな事が出来るのか、どうして…
殿下 :…ホホ
お前が泣く姿は初めて見るね
いつも無表情だから泣くとは思わなかった
しかし今は感情にとらわれるな
今だけはいけないよ
あの者は...何か違う
この程度の攻撃で倒れる者ではない
神竜を封印できる力を持った者だ。
一体あいつは...何者なのか
お前は一体…何者だ
何故そんなにも青銅鏡眼を持った者を嫌うのだ
彼らを鏡泥棒と称していたが、
青銅鏡眼と鏡の話は古い伝説のようなものではないのか。
修羅 :古い伝説だと…
そうなったな
孫を寝かしつける時に聞かせる昔話のようになった
過ちと真実を隠して、
自分達を哀れに言い繕ったおぞましい話になってしまった!
遥か遠い昔、目玉なく生まれた人間がいた
それ故に一人では満足に暮らせなかった
その時慈悲深い神が現れた
彼は、
自身を称える祭祀に使われた青銅鏡を壊し
その破片を眼窩に嵌め込み世界を映そうとした
だが青銅鏡の破片は世界を映すだけに留まらなかった
光を照らす神秘的かつ神聖な物の破片は、
普通の人間には見えないものまで映したのだ
修羅 :笑わせるな!
人間はただ欲のために鏡を盗んだのだ!
天の秘密をその取るに足りぬ目に映し 、勝手に利用し始めたのだ!
我が守っていた鏡でだ!
その罪、その巨大な罪を贖罪せねばならぬ
青銅鏡眼の人間は勿論、その一族を国に受け入れた神竜到来、貴様も!
殿下 :…古い存在だと感じてはいたが…
お前は一体…何者だ
修羅 :話したところで無駄だ
知る必要もない
神竜到来!
人間達の眼前でその生涯を終えるがいい!
カホン:(殿下を…助けなければ)
(くそっ...)
(今手には何もないのに、一体俺はどうすれば...)
(どうすれば殿下を...!)
これはどうゆう事だ、
3門将!
三門将:あの…しょ…将…軍…
糸が…俺の…頭に...
そ、そして…
将軍の頭にも...!
<ふぃるる先生コメント>
「蜘蛛の檻」の話もほとんど終わりに近づいていますね。今週もありがとうございます!
修正日:2023/09/07
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