蜘蛛の檻18

守備長:君が騎馬に卓越した才能を見せたと聞いたよ。

 

カホン:…そんな大した事ではありません

 

守備長:神竜の上でバランスをとる訓練をしてたから、

    何かに乗るのが上手いんだな

 

カホン:その訓練が騎馬と関連あるかはよくわかりません。

    ただ馬に乗る方が龍に乗るよりは簡単です

    馬は突然体をひっくり返さないですから。

 

守備長:ははは、そりゃそうだろうな!

    なあ、部隊長

    俺は以前から北到来には騎馬兵が必要だと考えてる

    この外城の外に広がるあの広い野原...

    野渦は必ずまた紛争を起こすぞ

    大きな戦いになればあの荒野で起こるだろう

    馬に乗って走る方が当然有利だろうし

    どうだ、君が騎馬兵を受け持ってみるのは

 


 

編笠翁:ふむ...このくらいなら十分だな

 

カホン:見よ、これが狩人だ!

    木を削って作った偽顔に縋り付いて生きる虚像だ!

    そちらも見ろ!

 

    (霊物を殺す事になるとは…)

    (だが仕方がない)

    (士気を上げる事の方が重要だ)

 

    こんなに巨大な蛇を我ら到来の手で倒した!

    我々は今や恐れるものなどない!

    これ以上何を恐れるのか!

    我らの王をこのまま失う事より恐ろしい事がどこにあろうか!

 

    到来の兵士たちよ!

    我が到来は神龍の名で建てられた龍の国だ!

    我々は神龍の守護の元で生まれ育った龍の民である!

    このまま王を失えば我々は龍を見捨てた事になる!

    我らの手で王を取り戻そう!

    龍の民としての誇りを見せつけるのだ!

 

 

 

カホン:あれ...あれは...

 

3門将:将軍!まさか...

 

カホン:殿下‼︎

 

殿下 :…ホ…ン

 

カホン:殿下!

    くそっ、おい貴様!

    殿下に、殿下になんて事を...!

    今すぐ降りてこい!

    今すぐ殿下を... !

 

修羅 :悲しいな

    我が民らがこんなに凄惨に敗れるとは

    だが案ずるな

    王は、決して民らを死なせてはおかぬ

 

3門将:な、何だ...?あの...糸は

 

カホン:糸とは、どういう事ですか、3門将!

 

修羅 :全て作り直してやるから、悲しむでないぞ

    北到来最高将軍、オルネ・カホン

    貴様と到来軍が見事私の民を退けたので、褒美を与えよう

 

3門将:いや一体...この糸は...!

 

カホン:何の糸があるのですか、3門将!

 

3門将:しょ、将軍...あ あの者の手から伸びた糸が…

    兵士たちの頭で...!

 

修羅 :お前も'鏡泥棒'の一族だから、この話を聞いた事だろう

 

    横の糸は記憶

    縦の糸は時間

 


 

<ふぃるる先生コメント>

本当…本当本当本当に暑いですね!暑い気候に気をつけて元気な週にしてください!

 

修正日:2023/09/07



コメント: 1
  • #1

    ぴょん吉 (日曜日, 25 3月 2018 11:33)

    殿下の体勢が…見るに耐えられぬ…。