武官 :'除霊'だ。
*除霊:幽霊を成仏させる
カホン:(殿下、どうして...)
(殿下:それなら特別難しい問題を準備しなくちゃね。)
カホン:(難しい問題を出すと言いましたよね、)
(解けない問題を出すなんて言わなかったじゃないですか)
(……)
武官 :静粛に、静粛に!
もちろんこの中に青銅鏡眼のない者もいる。だが、
到来には'あの'封印の山があり、
大陸の西に位置するせいで幽鬼の問題が際立つ所だ
よって到来の武官は、
幽鬼問題に対処できるべきというのが殿下の意だ。
名前を呼ぶ順に出て来て除霊を見せるように
見事成し遂げた者はその瞬間から到来の武官である
武官 :次、封印の山−
オルネ・カホン
うん? 何だ? 棄権するのか?
確かに、青銅鏡眼がなければ難しい問題だ
それでもここまで頑張ったな
うあああー
お、お前何をするんだ!
鬼物を割ると幽鬼が怒り狂うのを知らないのか!
カホン:知っています。そして…
怒り狂う幽鬼は鬼気現象を起こす事も知っています。
カホン:…どうして俺を連れて来たのですか、殿下
単に死ぬ子供を救うためだったのですか
それなら宮で暮らす必要なかったでしょう
殿下 :お前の言う通りだ
ただ救う為なら適当に良い家に連れて行っただろう
私は、さらに強い垣根が必要だ
目に見えない風に揺れても、
屈せずに自らの役割を果たす垣根だ
私は見えぬものに屈しないお前が気に入った
ホン
お前は頑丈な垣根になれるかね
殿下 :何? それで朝から今迄ずっとそうしているというのか!
カホン:で…殿下!
武官 :殿下!
カホン:俺は…青銅鏡眼じゃない…
幽鬼なんて…見えません
除霊など出来るはずがないのです
ですが、到来の武官として到来を守れと命じられたら
相手が幽鬼であっても守ってみせます
殿下 :…おまえ
武官 :はい、殿下!
殿下 :少しも怪我はないね。
武官 :はい、その者が…
武官 :では、合格者を発表します!
殿下 :あの問題は、お前を落とす為に出したものだった
.
カホン:...意地が悪いです
武科を受験するな、その一言だったら俺は従いました
殿下 :お前がどう出るのか見たかったのだ
お前に与えた一つの試験だ
たとえ青銅鏡眼がなくとも、
封印の山出身が幽鬼の問題から完全に降りる事は出来ないだろう
幽鬼に対するお前の処世術を見たから、頭上のそれを心配しなくても良いね
カホン:…どうせ見えないし感じもしないので、俺にはよく分かりません
殿下 :人に幽鬼が付くのは全て理由があるのだよ
手だけだから特別害はないが…
まあ、大丈夫だろう
ホン
カホン:はい…
殿下 :北到来に行きなさい
2次武科まで合格したのだから、北到来城の守備隊に入れるだろう
宮で私と共に暮らしてきたお前だ
お前がすぐに宮の武官になれば確実にくだらぬ話がでる
辺境に行き、功績を立て、広く認められてきなさい
お前の本当の最終試験はこれになるだろう
<ふぃるる先生コメント>
うわあああ100話目ですね おめでとう^o^〜!
修正日:2023/09/06
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