アゲハ:う…わあ…
手が…口になった…
カウリ:確かに、初めて見る形態の天神だな。
巨里 :そこにいるのは「ソトン」の子供か。
そうか...お前だけが生き残ったのか。
アゲハ:そ...そうだ!
なぜ暴れるんだ、俺たちが何をした!
巨里 :村に大変な事が起きたから力を使ったのだ...
我はただ悪い気を感知して排除するだけだから
アゲハ:悪い気を感知して、排除する…?
それじゃセスルさんが初めてここに来た時も...
この野郎、そんなの無いぞ!
セスル:いいって、いいって、お前
神源はいつどんな形であれ危険な場所だから、探査隊として悔いはない
俺たちが今相手しているのは一般的な天神じゃない
天神に分類できるかも俺にはよく分からん
あれはとても古い神だよ
ひとまず帰る方法から調べよう
アゲハ:あの、俺らは神源の外に出たいんだけど...
俺たちを出してくれ。その...岩さえ震えなければいい
巨里 :それは出来ない
アゲハ:何?!
セスル:おいこらっ、喧嘩をするな!
話を聞いて、説得するんだ。お前「対話者」だろ。
アゲハ:うう…説得…やってみる…
えっと、なんで...
それは出来ない?ただ大人しく出て行くだけが?
巨里 :私は…「ソトン」との約束を守らなければ
許諾を受けていない者は、
私を通過できない
カウリ:「許諾」だと…?
セスル:「許諾」ってあの「許諾」?俺らが知ってる許諾?!
アゲハ:何の許諾だよ、誰から貰うんだよ?!
「許諾」って一体なんだ!
巨里 :「ソトン」の子が私に「許諾」を尋ねるとは、
んん…村の図書達は何をしてたんだ
それはこの地に宿る力だ。天然呪術とも呼ばれる
アゲハ:天然...呪術?そんなのがあるの?
セスル:こりゃかなり興味深い話を聞いてしまったな
アゲハ:え?
セスル:「許諾」の事は長老達の中でも少数しか知らない
正確にどんな原理の呪術なのかは教授達でさえ知らん
「天然呪術」なんて
俺も初めて聞いたよ。
巨里 :「許諾」を受けぬ者はこの村に入ってはいけない。
勝手に出ても行けない…
他人の土地に侵入した対価は払わねばならない。
アゲハ:だから、その「許諾」って、誰から貰うんだよ!
巨里 :当然「主人」からもらう
ここでは、この土地の主人。
「ソトン」の一員に。
アゲハ:えっ…
俺⁈…
セスル:ほう
巨里 :入るのも、出て行くのも、君は自由にできる。
だが他の者はできない。
「ソトン」の許諾を貰っていない
アゲハ:う…どうすんだ、ただ許諾すると言えば良いのか…?
......
はは、ちぇっやっぱ簡単にはいかないな。
セスル:ふーむ
アゲハ:どうしよう、セスルさん。
セスル:えっと…意外に簡単かもしれないぞ。
人間が作った呪術じゃないなら仕組みは単純だろう。
わかるな?最も基本的な呪文。
アゲハ:名前を呼ぶ?
セスル:ダメで元々じゃないか、難しくもないし。
アゲハ:うーん…
えーっと…セスルとカウリを..
えっと…許諾する?
この村に出入りするのを…
セスル:ふははは、その言い方は何だ!
アゲハ:ああなんだよ、大事なのはこれでしょ!
巨里 :.......
アゲハ:.......
あ、さすがに。こんな簡単にはいかない...
うわっ、何だよ、どうしたんだ?!
カウリ:先生!
セスル:待て、見ろ!
アゲハ:うえっ、本当にこれで?
セスル:ほう、こりゃマジで…かなり重大な事を知っちゃったな。
許諾は「土地の主」が名前にかける呪文。これだ。
だとしたら雨和院の地主は誰かな。
まあ、とりあえず帰ろう。
疲れて死にそうだ
カウリ:この神源入口を守ってた人間、まだいるだろう?
セスル:えーっと…そうだな、係だから。
はあ...お前またアゲハに入らなきゃいかんか。
アゲハ:妖鈴がいなきゃできないけど
セスル:あ。
<ふぃるる先生コメント>
口を大きく描くことがないので…今回の話の作業はとても面白かったですフフフ
今週もありがとうございます!
修正日:2023/09/27
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ぴょんきち (火曜日, 06 11月 2018 17:55)
ラストのオチがww
興味深い話と、テンポ良い展開で楽しかったです。
喜田 (月曜日, 15 10月 2018 18:54)
おおおなるほどそういう事ですね!
雨和院の主は誰だろう、やっぱり神鷹ですかね