カリ2

アゲハ:ちょっ...

    待て!

    おい、お前!

    止まれ、この野郎!

    おい!止まれ、待てって!

 

    カリ!

 

    お前...は...修羅なのか...? その体を操ってる?

 

    (いや… 違う)

    (操ってない事は俺が一番よくわかる)

    (赤い気は見えるが操ってるならあんなに自然に動かない。あいつは...)

    (自分の意志で動いてるんだ)

    (一体あいつは何だ...?)

    (あの中に入っているのは誰だ?)

 

    何だあれ... 武具?!

 

    (いや。あれも... 俺が知って武具とは違う。 とても不安定だ。)

    (まるで気を無理やり集めて武具の形にしたような)

    (気を安定させる妖鈴もないし、)

    (形作る青銅棍もない)

    (ただ…)

    (あの体にあった記憶の残滓を集めて作ったんだな)

 

    (記憶…!)

    (わかった、あれがどう動くのか!)

 

    あ!

    おい! お前!またどこに行く!

 

    (こいつこんなに走って秋地域まで行くのか?)

    (そこにはカウリが...)

    (畜生、)

    (「あいつ」、一体何を考えてる!)

 

    おい!

    言えよ! 何をしてんだ、今!

 

    (そういえばさっき思わず「カリ」と呼んだが、あの時少し止まったよな、あいつ。)

 

    カリ!!!

 

カウリ:はい、先生

    ここで何をしてるんですか

 

アゲハ:あ... お前... ここにいたのか?

 

カウリ:使えそうなものがあるか調べてました

    ところでアレは何ですか

 

    カホン!

 

    あれは、俺が入ってた人形ですね。

    くそ、力が...  !

 

アゲハ:そいつは「記憶の糸」の残滓で動くんだ!

    カリとして過ごしたお前の記憶!

    魂は必ず痕跡を残すから!

    どうやったかわからないが戦闘の記憶だけ残したんだと思う!

--

 

森羅 :呪術式というのは体に残るものではある、

    君の鬼体にもその跡が残ってるだろう

 

    君の胸元の時の糸が人形の体でも見えたように

    強い力は痕跡を残す

    呪術式はどこに受けたんだい?

 

    ふうん、うん。そう。

    だいたい真似る事は出来る

--

 

カウリ:人形師の技術のようですね!

 

アゲハ:人形師... そうか、白魔地に捕まってた!

 

カウリ:はは... これは本当に妙な事になった

 

アゲハ:何が?

 

カウリ:もしやと思ったが、今確信しました。

    カリの記憶だけじゃない

    あの人形には、生前の俺...

    「カホン」の遺骸と記憶まで入っている

 

アゲハ:くそ、それだけは違って欲しかったが... お前どうする、あれ...

 

カウリ:もちろん、

    完全に消し去らねば

 


<ふぃるる先生コメント>

カウリが着ていた黄色の服は神源の隅に綺麗に畳んでおきました。

 

修正日:2023/10/01



コメント: 1
  • #1

    ぴょんきち (月曜日, 30 9月 2019 23:01)

    遅ればせながら、ギリギリ読みました。可愛い同士の対決。尊い。