アゲハ:ちょっ...
待て!
おい、お前!
止まれ、この野郎!
おい!止まれ、待てって!
カリ!
お前...は...修羅なのか...? その体を操ってる?
(いや… 違う)
(操ってない事は俺が一番よくわかる)
(赤い気は見えるが操ってるならあんなに自然に動かない。あいつは...)
(自分の意志で動いてるんだ)
(一体あいつは何だ...?)
(あの中に入っているのは誰だ?)
何だあれ... 武具?!
(いや。あれも... 俺が知って武具とは違う。 とても不安定だ。)
(まるで気を無理やり集めて武具の形にしたような)
(気を安定させる妖鈴もないし、)
(形作る青銅棍もない)
(ただ…)
(あの体にあった記憶の残滓を集めて作ったんだな)
(記憶…!)
(わかった、あれがどう動くのか!)
あ!
おい! お前!またどこに行く!
(こいつこんなに走って秋地域まで行くのか?)
(そこにはカウリが...)
(畜生、)
(「あいつ」、一体何を考えてる!)
おい!
言えよ! 何をしてんだ、今!
(そういえばさっき思わず「カリ」と呼んだが、あの時少し止まったよな、あいつ。)
カリ!!!
カウリ:はい、先生
ここで何をしてるんですか
アゲハ:あ... お前... ここにいたのか?
カウリ:使えそうなものがあるか調べてました
ところでアレは何ですか
カホン!
あれは、俺が入ってた人形ですね。
くそ、力が... !
アゲハ:そいつは「記憶の糸」の残滓で動くんだ!
カリとして過ごしたお前の記憶!
魂は必ず痕跡を残すから!
どうやったかわからないが戦闘の記憶だけ残したんだと思う!
--
森羅 :呪術式というのは体に残るものではある、
君の鬼体にもその跡が残ってるだろう
君の胸元の時の糸が人形の体でも見えたように
強い力は痕跡を残す
呪術式はどこに受けたんだい?
ふうん、うん。そう。
だいたい真似る事は出来る
--
カウリ:人形師の技術のようですね!
アゲハ:人形師... そうか、白魔地に捕まってた!
カウリ:はは... これは本当に妙な事になった
アゲハ:何が?
カウリ:もしやと思ったが、今確信しました。
カリの記憶だけじゃない
あの人形には、生前の俺...
「カホン」の遺骸と記憶まで入っている
アゲハ:くそ、それだけは違って欲しかったが... お前どうする、あれ...
カウリ:もちろん、
完全に消し去らねば
<ふぃるる先生コメント>
カウリが着ていた黄色の服は神源の隅に綺麗に畳んでおきました。
修正日:2023/10/01
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ぴょんきち (月曜日, 30 9月 2019 23:01)
遅ればせながら、ギリギリ読みました。可愛い同士の対決。尊い。