蜘蛛の檻12

 叔母 :…幽鬼が多いから寂しい気が広がるのはどうしようもなさそうだ

 

3門将:すごいです、こんな所で暮らせるのが...

 

 叔母 :そうですか。私達は慣れてるからよく分かりません

 

カホン:ですが叔母さん、村がとても静かです

    明日そんな大変な事をするのに…

 

3門将:静かですって、将軍。幽鬼達の声で頭が痛い程です

 

カホン:幽鬼の声は俺も少しは聞こえます

    幽鬼ではなく人の声が聞こえないという意味です。

    とても静かです。

    人の声が少しも聞こえません

 

叔母 :皆明日の準備をしてるんだ。 騒ぎ立てる事もない。

    早朝の出発で寝る暇もないんだ。

    芋でもお腹いっぱい食べておきなさい。

 

カホン:はい

 


[寅刻(午前3-5時)]

 

3門将:うううう…

    なんだって霧がこ、こんなに...

    こう携えてるのは…な、何に使うのですか..?

 

火砲男:明かりを見てついて来て下さい

    山頂で祭祀として雑鬼を集めてからこれを爆発させる

    さあ、ついて来て

 

叔母 :ホン!

 

カホン:はい、叔母さん!

 

 叔母 :ちゃんとついて来てるね

 

カホン:はい!

    3門将、大丈夫ですか?

 

3門将:あ…俺は…大丈夫です、将軍

 

カホン:とてもひどく震えてる

    俺が無理を言ったようだ

 

3門将:い−いえ、どのみちここは…調査しなければ…

    狩人どもの痕跡を探してみないと…

    ...ただ、適応出来なくて、こうなってるだけです

    ますます幽鬼の気が、濃くなってます

    まるであの世への道のように感じられる…

 


 

殿下 :封印の一族が皆殺しされたなど、どう言う事だ!

 

宮廷人:封印の山から報告がないので調査を出しましたが...

    あまりにも山が険しく調査をするのも困難でした。

    しかし行ってみると全て死体だらけだったそうです

    なんの... 襲撃を受けた跡もなく…

    ただみんな死んでいたそうです。

    どうやら幽鬼が何か問題を...

 

殿下 :それで、生き残った封印の一族が誰もいないというのか!

 

宮廷人:半月の間にその山から出てきた人だと、

    何やら編笠をかぶった男だけだったと

 

殿下 :殿下?殿下!

 


 

殿下 :ホンはあの子は何も知らず、何も見えないのに

    それなのに、その子が今…!

    あ。私としたことが…

    とても長い間人間として過ごしたのだな

 


 

叔母 :ホン!

 

カホン:ええ、叔母さん!

 

叔母 :ちゃんとついて来てる?

 

カホン:はい、心配いりません!

 

3門将:将軍がとても...心配なようだ

 

カホン:昔からそうでした

    俺一人幽鬼が見えないから幽鬼にいたずらされる事が多くて…

    怪我をしたらいつも叔母が治療してくれました

 

3門将:心配して、く、くださるのは有難いですが

    何度もああやって、将軍の名前を、

    よ、呼ぶので不吉な、話が浮かびますね

 

カホン:不吉な話ですか?

 

3門将:その、あるじゃないですか。

    幽、幽鬼が呼ぶ時三回返事をすると...

    あ、あの世に連れていかれるという…

 

カホン:ははは、封印の一族をそんな話でからかおうとしても-

    無駄だと言ったじゃないですか

 

叔母 :ホン!

 

カホン:はい、叔母さん!

 

叔母 :ちゃんとついて来てる?

 

カホン:3門将と一緒なので俺は大丈夫です。

    幼い時ならちょっと怖がったかもしれませんが、

    こうやって3門将が一緒にいてくれるので頼りになります。

    3門将…?

 

    3門…

    洞窟?いやどういうこと...

    3門将!

    …

    叔母さん!−3門将!

 


 

3門将:ほ−

    急に…暖かくなりました。将軍

    将軍?

    こ…これは何だ...!!

    将軍、将軍! どこですか将軍!

    将−

    ...叔母さん...?

    俺...俺が幽鬼に取憑かれた!幽鬼に取憑かれてたんだ!

    将軍...!

 


 

<ふぃるる先生コメント>

今日は結構幽霊漫画っぽかったかと思います:D‼︎

 

修正日:2023/09/06



コメント: 1
  • #1

    ぴょん吉 (日曜日, 25 3月 2018 11:00)

    うわー…。辛い。すでに辛い。
    カホンちゃんの幸せ期間短すぎるよ。

    殿下が早く着く術を思い出したよかった。