蜘蛛の檻19

[横の糸は記憶]

[縦の糸は時間]

 

三門将:あれは何の事ですか、将軍!

 

カホン:糸が見えると... 言いましたね、3門将

 

三門将:はい

 

カホン:俺の目には見えないから、

    それはおそらく'気'で出来た糸だ

    '気'が生きている体を通じて一列に綴りながら、体の持ち主の時間と記憶を記録した糸になる

    封印の山ではこれを'縦糸'と'横糸'と呼ぶ

 

三門将:それが...何故あんなに不吉な光を放つのですか。

 

修羅 :愚かな、これは天が授けた特別な力だ

    見るがいい

 

三門将:こ、これは何の真似だ!

 

カホン:記憶の糸を操作して...人を思いのままに操れるみたいだ

 

三門将:将軍... どうしたら良いですか

 

カホン:殿下の眼前で民を傷つける事はできない

    全員気絶させる事ができるか

 

修羅 :ほう

 

 

男性 :なんだ、突然...戦争終わったんじゃないの?

    さっき歓声まであがったのに

 

女性 :あの宙に浮いた人は何なの?

    後に何か大きな蛇みたいなのもいるし…

 

男性 :あそこ蜘蛛将軍様だ。

    え…中央軍がどうして将軍様を...?

 

女性 :糸がある。

 

男性 :糸?

 

女性 :あの男の指先から出た糸が…

    中央軍の頭に一本ずつ繋がっている。

 

男性 :これは一体どういうことだ...

 

女性 :将軍は...どうなるの?

 

 

 

カホン:(操られてるから、)

    (動きは単純だな、)

    (全員倒し、)

    (あの編笠野郎も倒して、)

    (殿下を救い出せば良い。)

    (それで全てが終わる。)

    (それでいいんだ)

 

 

修羅 :随分よく持ちこたえる

    中々良い部下を持った

 

殿下 :うくっ!

    あの子は…放っておけ

    封印の山で生まれたが...

    あの子は、お前の言う鏡泥棒では、ない

    黒い目を持って生まれた...

    まるで何か抜けた空席のように

    あの子はその古い罪とは関係ない...放っておけ

 

修羅 :関係ないから、あの者を選んだのだ

    到来の沈む太陽、崩壊する国の象徴になる没落する英雄として

    泥棒の一族に生まれたが、盗んではいない者

    そう、あの者は潔白だ、だからあの者に褒美を与えねば、歴史に残る名を

    没落の歴史ではあるが...永遠に残るものだ

    鏡泥棒の一族を受け入れた国がどうなるのか

    その見せしめとして

 

    くうッ、どうやって...!

 

カホン:(何だ... ?突然倒れるなんて... )

 

修羅 :ほう…

    結界を解けないから、

    体が裂けても無理矢理に動いたのだな

    神竜とはこうなっても死なないものか

    いやはや大したものだ

    だが、そこまでだ

 


 

<ふぃるる先生コメント>

みんな痛そうな3部40話でしたねㅠㅠ

 

修正日:2023/09/07



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