カルセ:(時の糸だ)
(鬼眼を奪われてまともに見えないが、)
(分かる)
(気の流れに手を入れたような感覚)
(あの子が私の前に自分の糸を差し出してる)
(すぐ目の前に...)
駄目だ!
駄目だ、駄目だ!
それはできない…
人間の糸を取るのは...タブーだ
そんな真似をするならいっそ死なねば...
私は雨和院の番人だから...このまま死ななければ...
(どうして、番人などになったか)
カルセ:(ずっと)
(話せなかった事がある)
(母さん)
(やつれて陰鬱としてた母)
(いつも静かに遠くの空ばかり眺めていた母)
(亡くなる時でさえ一言の遺言も残さなかった母。)
(母の葬儀を終えて家に戻った時、)
(母の幽鬼がついて入って来たのです。)
(私が見ているのを分かっているはずなのに、)
(視線一つくれない、)
(母屋に入りいつものように遠くの空を眺めていた)
(誰にも話せなかった)
(自分の力ではどうする事も出来なかった)
(制圧科を選んだ理由は、)
(もし母が悪鬼のようなものに変わったら、)
(直接この手で退治するため)
(しかし母は何も変わらず、いつもそこに縫いつけられたようにいた)
(母は虚しかったのだ。)
(生きてる時も、亡くなった後も)
(その目つき。)
(私は母に似ていた)
カルセ:(私もやはり死んでも変わらないだろう)
(虚しい...)
くうっ、ふぐっ…
ふうっ、ぅくっ…ふうっ…
アゲハ:なんでダメ?ここの狩人はいつもこれ食べてるのに。
カルセ:駄目だ…
私は人間だし...君も人間じゃないか
人間が人間を...食べることはできない…
アゲハ:ああ…
大丈夫、僕は家畜だから
これは食べられる
カルセ:君は人だよ
あいつらが...君をこんな風に縛り付けても。
君は人なんだ。
狩人共が...君の糸を毎日食べても...
私は、そうするつもりはない
人間の...道理は捨ては...しない
(空虚)
(空っぽだ)
(何もない)
(温度さえない)
(果てしなく寒い…)
(ああ。考えてみたら私は幽鬼にもなれないな)
(魂がズタズタに裂けた…)
カルセ:(何だ... ?)
アゲハ:何だか分からないけど、悪いのはみんな僕だよ。
みんな僕のせいなんだよ。わかった?
だから居なくならないで...
カルセ:(死にたくなかった。)
(事実本当に恐ろしかった。)
(今更無意識にそうしたと弁明するならば、余りにも卑怯だろう)
(私は率直に生きたかったのだ)
くっ!
なに…何なんだ…、これは…この光は...?
こ、これは...気の流れが見えるのか?
ぐっ、目が、すごく痛い!しかし...
とても...よく見える。
(気の流れが全て見えてる)
(狩人たちの位置も全てわかる)
(おまけに、)
(体が異常なほど力がみなぎっている)
ありがとう。今から一緒に逃げよう。
<ふぃるる先生コメント>
雨が降って空気の良い週末でしたね!来週も天気が晴れてほしいです。
たのしい1週間をお過ごし下さい!
修正日:2023/09/24
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ぴょん吉 (月曜日, 04 6月 2018 13:52)
アゲハちゃんのセリフがつらい。ずっとそう思わされて生きてきた悲しい言霊。カウリさんが強いのは、アゲハの後でパワーアップした影響も多少あるのかな?
喜田 (木曜日, 24 5月 2018 19:53)
カウリもカルセも アゲハの糸を体に入れたけど
これは伏線になりそう…かも しれないですね!