灰と炎1

学生 :火、火だ!

    うああああ!

    逃げろ!

    火だ!

 

アゲハ:…… 修羅

 

修羅 :坊

    随分大きくなったな

 

アゲハ:てめえ、この野郎…!

 

カウリ:止まりましょう

 

アゲハ:お前止めるのか?!あいつが今雨和院に放った火がどんな火か…!

 

カウリ:分かります。図書館で見たというあの火ですね。

    消えずに人を押しのける、その妙な火でしょう。

 

アゲハ:そうだ!ソトンの「図書館」で見たのも正にあんな火だった!

    あいつの足先から火が出たのをお前も見たじゃないか!

 

カウリ:ですからここで前に出て戦うのは、

    俺であるべきではないですか

    俺は貴方が呼び出した天神ですから。

 

修羅 :呼び出した天神…おもしろい。生きる為に呼び出したのがたかが灰だとは

    使い道があろうかと見守ってきた時鬼だったが…

    もう貴様を見捨てる時が来たようだ

 

カウリ:たかが灰だ…

    これ以上燃える事もないから良かったよ

 

ウリ :アゲハさん!

 

アゲハ:ウリ!

    急いで他の子達と逃げろ!

    この火を消そうとするな!

    これは消せる火じゃない、これは…呪術で作られた火のようなものだ、多分!

 

ウリ :でも、アゲハさんはどうするの...  !

 

アゲハ:俺は飛べる幽鬼と一緒だからすぐ抜け出せる! 

    あの戦いに巻き込まれたら本当に危ない!

    だから早く離れろ!

    炎に閉じ込められる前に!

 

ウリ :うん、わかった!

 

学生 :さあ、ウリ!早く行こう!

    何してんの!ウリ! 早く行くよ!

 

修羅 :成る程、貴様の武具も今や実体に拘束されないのだな

    だからと言って、我に太刀打ちできると思うか!

 

カウリ:貴様が妙な企みをするのは知っている。

    計り知れぬ歳月を生きてきたのも知っている

    だから何だ?

    貴様は死を受け入れられず、

    返せと駄々をこねているだけではないか

    俺も、貴様も、

    いつかは道端に転がる塵程にも残らぬだろう

    遥か高みにある

    強く美しく輝いくものを

    太陽と錯覚してはならぬのだ

    結局全て倒れるのを受け入れねばならぬのだから

 

修羅 :そんな甘い考えを持つのなら、

    貴様の力も知れたものよ!

    貴様のその浅い思考では俺がただ無駄な事をしているように見えるだろう!

    結局は全て倒れるだと?

    だから絶望し息絶える日を待とうというのか?

    貴様も生の未練を捨てきれず、

    無様な亡霊ではなかったか!

    この世の全てが歳月に擦り減り消え失せても!

    我は常に立ち続け消えゆくものを眺めるのだ!

    肉体が傷めば作れば良いし、

    邪魔するものは燃やしてしまえば良い!

    見たところ貴様は焼け残った灰燼のようだが…

    貴様程度がこの炎に耐えられるかな

 


 

<ふぃるる先生コメント>

私は天神カウリを心の中でチェ(灰)ウリと呼んでいます

 

修正日:2023/10/01



コメント: 1
  • #1

    ネク (月曜日, 16 12月 2019 10:24)

    カウリのお説教も修羅様には届かないのです