人形師谷4

アロン:あら!本当なの、おじいさん

 

[時鬼アロン]

 

アロン:本当に子供の姿ですね!

    時鬼カウリ本人ですか?

    適当に連れて来て嘘をついているのでは?

 

ケジャラ:こりゃ、嘘とはなんだ!

     これが嘘なら自分の甲羅を焼いてもいい!

 

アロン:ふーん...

 

カリ :試すのなら格下相手にすべきだな

    時鬼大討伐でかろうじて生き残ったようだが...

    力量の差は見極められないようだな

 

アロン:は…はは..

    人間の体に入ってもこんな力が出せるなんて

    本物みたいね

    'ならず者'の...カウリ

    そう... 今は…子供の姿に... 人間の目だけど...

    思い出します...

    貴方を見た事があるの

    時鬼大討伐が行われる前に、野穴に入りましたよね?

    時鬼ピウの猟場のことです。

    あいにくピウはいなかったけど、

    ピウが飼ってる巨大な獣がいて誰も入れなかったそう

 

カリ :...…野穴だと

 

アロン:昔の話ですね

    ピウがいない隙に何か狩ろうかと、

    辺りを見回していたら、見かけたのです。

    ハハ…呆れたわ

    その巨大な獣の角を片手で折るなんて

 

カリ :俺を探してた理由が、昔話をするためか?

 

アロン:私は!

    私が見て、聞いて、

    知っている中で最も強い時鬼を探しに来たの!

    強い時鬼が必要だから...う、くっ!

 

カリ :俺の魂心が目当てか

 

アロン:そう…じゃない

    私は…

    強い首領となるべき人物を探しているのです!

 

カリ :首領?

 

アロン:ほっ、ええ!

 

カリ :何の首領だと言うのだ

 

アロン:時鬼の首領です!

 

カリ :これ以上聞く価値がない

    時鬼は大討伐で皆死んだ。

 

アロン:−あなたが!

    そして、私が!

    こうやって生き残ったように、

    粘り強く生き残った時鬼がいます!

    時鬼になるほどのその執着と執念で持ちこたえて、

    辛うじて生き残った時鬼がいます!

 

カリ :生き残った時鬼がいたとしても、

    なぜ時鬼に首領が必要かわからぬな

 

ケジャラ:そうだアロンよ!時鬼は絶対群れをなさない!

     お前も時鬼なら分るだろう!

 

アロン:そんなだから…

    大討伐で呆気なくやられたのです

 

ケジャラ:はあ…確かに、

 

アロン:数が少ないなら仕方がない

    時鬼も群れなければなりません

    統率の下 組織的に動く必要があります

    その為には看板となる首領が必要です!

    自分勝手に暴れる時鬼を統制できる、

    誰もがその力を認める時鬼が!

 

カリ :納得できないな

    それが俺だと?

 

アロン:戦わず逃げたサラソは考えるまでもなく、

    ピウは大討伐で死んでしまいましたから

    浄化の森で生きて帰ってきた貴方なら、

    時鬼らを導く首領となれるでしょう

    これ以上番人に振り回される訳には行きません

    私たちは準備ができています

    だから、貴方が生きていると聞いて探していたのです

    私たち…

    全員がです

 


 

<ふぃるる先生コメント>

今回の話は葉が沢山入ってるけど…

色がちょっとあれだから爽やかには見えませんねTT

 

修正日:2023/08/29



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