蜘蛛の檻4

 [北到来城]

 

カホン:いや、何故ダメなのですか! 

    俺は2次武科まで合格しました、

    これを見てください!

    2次合格者は外城の武官になれるのではないですか!

    北到来はいつも人手不足と聞いたのに、何故…!

 

到来兵:2次でなく主席合格をしたとしてもダメだ!

    頭に幽鬼をつけている奴は受入れられない!

 

カホン:…くそ…

 

 

[北到来は、流れ者流民族野渦の襲撃が多かった]

[そのため北到来守備隊の役割が重要だった]

 

 

カホン:(俺は、殿下の意を手助けせねば)

    (それが殿下に恩返しする道なのに...)

 

    今日だけは本当に...

 

    いや、恨みはしない

 

    (俺は恨みたくはない)

    (そんな物を心に積めば、)

    (その重みに耐えられないと思うから)

 

?? :…い、おい。

    守備隊に入りたいか?

 

カホン:…誰ですか

 

?? :私の見たてでは君は大きな事を成す相だ

 

カホン:冗談なら他を当たってくれ…

 

?? :今夜、第3門で夜襲があるだろう

 

カホン:何だって⁈

 

?? :第3門は険しい山を盾にしていて警備はずさんだろう。

 

カホン:夜襲があるか何故貴方が知っている!

 

?? :信じるかは君の自由だ。

    だが知っておけ、守備隊は夜襲があるという話を信じないだろう

    お前が行くのだ。

    お前が功績をたてれば、

修羅 :頭上の手など誰も問題になどしないものだ

(※以降修羅と記載)

 


 

カウリ:うあああああああっ

    あの男!あの男だ!

    あの人形師‼︎

    あの人形師、と、全く同じ、顔…あの 男…

 

マウン:シッ、シ、シー

    落ち着け

    苦しいからと記憶を断ち切るな

    体が消えた席が'空虚'になるように

    記憶が消えた席もやはり'空虚'になるのだ

    '空虚'が深まればその虚しさが幽鬼に苦痛を与えるのだ

    だから忘れようとするな

    思い出せ

    お前が何に苦しんでいるのか解れば、

    苦痛を僅かでも減らせるだろう

 


 

カホン:青銅鏡眼もない者が...

    俺の頭上の手のことを何故分かる...

    ...只者ではないんだ

 


 

[北到来城 第3門]

 

カホン:...確かに

    他の門の半分にも満たない数で守ってる

    だが…その向こうにとても険しい山が位置している

    …やはり狂者のたわなのか

 

     ちっ 守備隊長を説得する方法を探すのがいいな

    くそッ、野渦が来る前に凍死しそうだ

    風がこんなに吹いているのに、夜襲があるのか?

    しかしあの者の言葉がやけに気になる

    この風とあの山をくぐって…ありえない

    考え直しても誂われたようだ

    そんな見知らぬ者の言葉に…

    

    何だ⁈

 


 

<ふぃるる先生コメント>

ずっと大きな蛇を描いてみたかったんです。すごく大きくてぶよぶよしてる蛇〜!

 

修正日:2023/09/06


※管理人より

 

過去編に置いて「編笠の男」は名乗っていませんが読みやすさを考慮して顔が判明してからは「修羅」と表記することにしました。


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