解き解す5

カリ :(頭をどうするとか言ってたのに、顔を見るなり気絶するとはな)

 

森羅 :ありゃまだ目覚めてないか

    それで、この子は外へ出歩くのが難しいのに。

    どうやってこの子を連れてここまで来たんだい。

 

カリ :多くの事をご存知なんですね

    訊きたい事が沢山あるが、一番気になるのはこれだ

    貴方。狩人の首領である'修羅'なのか?

 

森羅 :どうしてそんな質問をするんだい

 

カリ :貴方が修羅と同じ顔をしているからだ

    それでも全く違う雰囲気を漂わせているからです

    それでありながら使う力は、身の毛がよだつ程同じだから聞いている

    あんた、何者だ。

 

森羅 :彼は僕の双子の弟だね。

 

カリ :......双子だと

 

森羅 :弟があちこちに沢山迷惑をかけているようだ。本当に面目ない

 

カリ :では貴方はどうして先生を知っているんですか

 

森羅 :...坊が今は先生と呼ばれているなんて、

    長い歳月を生きているが時間はいつも早く流れるね

 

アゲハ:双子だって?!

 

森羅 :ぼ、坊…

 

アゲハ:いや、絶対あんただ!その表情、その話し方... !

    俺を‘坊’と呼ぶのは、白魔地の気違い供しかいない!

 

森羅 :坊、僕を憶えているんだね。

    坊、昔の話をしてあげようか

    いつか君に会える事があったら話そうと思っていた。

    君の話だ。

 


 

森羅 :おふじゃ。ぼふをてくれ

 

修羅 :飲み込んでから喋ってください、兄者

 

森羅 :弟者、僕を自由にしてくれ

    ここはお菓子も美味しくないし…

 

修羅 :不味いというわりに沢山召し上がってるようですが

 

森羅 :これしかないから食べてるの!

    こんなに不味いものばかり食べ続けては...

    僕は、死んでしまうんだな、くほっ。

 

修羅 :そう気ままに死ねたら、とうに死んでるでしょう

 

森羅 :薄情な弟だなあ

    だが弟者、いくらこうやって僕を捕まえても、僕はしないということはしないよ

    僕は弟者が痛ましくあり哀れだ

    弟者のしてる事はずっと間違っている

    僕はここに天の意はないと思うよ

    本当に弟者が探す答えを殺生で得られると思うのか?

 

修羅 :殺生でなく天罰でしょう、兄者

    ずっとそう意地を張るのなら仕方がないですね

 

森羅 :今日もどこかに行くのか。

    またどこをかき乱しに行くんだ

 

修羅 :今日は神源中心の仙人の村に行く

    この前の事に対する答えを聞くために

 

森羅 :....天よ

 


 

アゲハ:うわああん

 

森羅 :あ、弟者?! 何故子供を...

 

修羅 :いくらこの神聖な地で修行した仙人であっても!

    所詮は人間でした!

    取るに足りぬ愚か者達だ!

 

森羅 :じゃあその仙人達の村は…

 

修羅 :青銅鏡眼を持つ者達さえ渡せば生かしてやると言ったが、

    罪人を庇って皆殺しにされる愚かさは一体何だというのですか

 

森羅 :(本当に、彼は狂っていた。)

    (しかし、多大な利益を判断する精神は残っていた。)

 

    その子は… どうしたんだ、弟者。

 


 

<ふぃるる先生コメント>

一度おやつを食べる癖をつけるとやめられません。森羅はいつもおやつを持っています!

 

修正日:2023/09/21



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