準備

コダマ:酉刻!酉刻!

 

アゲハ:ほら~ あっち行け!

    ただでさえこの草のせいで息苦しいのに、虫が来てうるさい

    全部むしりとっちまうか

    ふむ…草のせいで鎖が隠れるのは良いけど…

    そのままでいいか

    うん、取るのも面倒だ

 

ウリ :何をそんなに一人でぶつぶつ言って、変な人みたい

 

アゲハ:ウリか

 

ウリ :久しぶり~!

    さあ、頼まれてたもの。早く受け取って

    ここにいるのがまたバレたら罰を受ける

 

アゲハ:ありがとな

 

ウリ :でもなんで鏡?

 

アゲハ:髪のためだ

 

ウリ :すごい伸びたわね。 また切るの?

 

アゲハ:いや、そのまま編むよ

    もう髪の毛は切らない

    死頭術をする必要もないから

 

ウリ :ササね。最近すごくあちこち歩き回ってるよ

 

アゲハ:突然?

 

ウリ :うん。ずっと大人しかったけど最近少し変

    表情が... 気になるっていうか

    嫌な感じ

 

アゲハ:多分お前だけが気づいてる。 お前はよく見てるから

    見続けてくれ。あんまり近づかないように

 

ウリ :うん

    体に気をつけてね、アゲハさん

 

アゲハ:俺が気をつける事なんてないよ。はは…

    俺は大丈夫

     

    まだ…

 


 

森羅 :あっ。いらっしゃい、

    セスル

 

セスル:おう、変わった事はなかったか?

 

森羅 :変わった…事…うん…作っておいた足の骨が全部なくなったよ

 

セスル:そんな個人的な事じゃなくてだな

    まあ、何もないなら良いさ

 

森羅 :ああ、それから

    狩人たちの何人かまたうろついてて時鬼達と一悶着あった

 

セスル:それがまさに変わった事なんだよ

    それで、カウリはどこだ?

 


 

セスル。遅かったな

 

セスル:お~そ~いだ~?

    お前のせいで雨和院から追い出されて命がけで情報収集してる人に、遅いだ~

    そんな事言う?

 

アロン:我らのボスが優しい言葉をかける人ではないじゃない~

    およそ久しぶりに会えて嬉しいって意味とお考え下さい!

 

セスル:それは単なるあんたの妄想じゃん

    それにしても...

    もうすっかり大人しくなったな、ドチェホ

 

カウリ:俺が持つ生前の気を主人として受け入れたようだ

    呪術式が半分だからか、幽鬼を主人と認める事ができたみたいだな

 

アロン:でなければ洞窟でボコボコに殴られて大人しくなったのかもしれませんね~

 

セスル:まったくこの時鬼どもめ!

 

カウリ:それでセスル、俺が依頼した事は調べたか?

 

セスル:調べてはみたが、ちょっとはっきりしない

    さあ、こっちに来て見てみろ

 

アロン:うん? セスルは何を持ってきたのです?

    あら。土ですね

 

セスル:…どうだ?

 

カウリ:…そうだ

    良く知る気が感じられる

    俺が埋もれていた土だ

 

セスル:ケジャラ爺がちゃんと覚えてたんだなうん

    お前が死んだ位置を

 

ケジャラ:(気が向かんが…)

 

セスル:だが俺とケジャラがそこに着いた時、お前の遺骸は残ってなかった

    だからその辺の精霊に祭祀をして聞いたんだ

    カウリお前、時鬼になって周りの雑鬼の魂心を食いつくして去ったって?

    その後そこにあった遺体は自然に土に埋もれたが、編笠をかぶった男が現れて、

    お前の埋もれてた遺骸を持ってったそうだ

 

    まともな墓でも作ってくれるのかと思ったが、

    ……お前の表情を見ると違うようだ

    編笠の男、誰か知ってるのか?

 

カウリ:はは…ちゃんと調べてくれたな、セスル

    俺の骨と、生前の鎧…

    白魔地にあるらしい

 

セスル:……こりゃ参ったな…

    他の誰でもなく、白魔地かよりによって...

    いや、お前の骨を何の為に持ってった?

    お前はいきなりとっくに朽ちた自分の遺体を探すんだよ?

 

アロン:見つけて完全に無くさないとダメなんです~

    天神になる為には

 


 

<ふぃるる先生コメント>

幽鬼は髪の毛が伸びません

 

修正日:2023/09/29



コメント: 1
  • #1

    りんご (月曜日, 29 4月 2019 13:29)

    おおおカウリさん天神になろうとしてるよ!!
    激アツ=͟͟͞͞( 'ヮ' 三 'ヮ' =͟͟͞͞) 
    修羅さまが遺骨を何に使ってるか気になるところ