蜘蛛の檻7

到来兵:隊長、そのカホンという者が入りました

 

守備長:入りなさい

    そうか、君が恐れもせず巨大な蛇に飛び込んだ者か!

 

カホン:北到来 守備隊長お目にかかります

 

守備長:嬉しいね。 頭を上げなさい。

    君のように大胆な者が必要だった

    一年の半分は厳しく寒い北到来だからか、守備隊が皆萎縮しているんだ。

    そう…どれ冒険談を聞こう。どうやってヘビの腹から出たのか?

    この野渦族はなぜそこにいる? 

 

カホン:それが…

 


 

-それで、そいつが小刀を持って飛び降りる時心臓が止まるかと思ったよ!

俺にはとても出来ない! 本当にすごい奴だ。

 

そうだな、守備隊員でそんな事できる者が何人いるだろうか

 

しかも野渦野郎も一人捕まえたんだよ!

 

これという騒ぎという騒ぎがなかったが、巨大な蛇だなんて

 

その蛇があれを越えて来たんだ。 はぁ、ぞっとする。

 

それを捕らえたのはうちの居酒屋に泊まった男だよ!

 

ほう、感心だなあ

 


 

カホン:それで、大蛇が土を吐いて出て来れたのです。

    昨日その土の山はちゃんと埋めて下さいましたか

 

守備長:ああ、君が言ったように墓を作ってやったよ

    君が封印の一族だからそんな事を知っているんだな

    ではこの者は…

 

カホン:本人によれば野渦族の呪術師だそうです。ゴンガという者です。

    墓を飲み込んだ大蛇を捕らえ、あの黄色の鉱物を打ち込み操ったのです。

 

守備長:あれはそんな力があったのか。だが妙だな

    20年間この北到来の城を守っているが、

    野渦がこんな奇妙な呪術を使うとは初めて聞く。

    あの黄色の鉱物も生まれて初めて見るし

    野渦がどこか良い採石場でも発見したのかな

    ほう、こいつを見ろ。しっかり取り調べなきゃいかんな

    おい!

 

ゴングァ:ふふ…ふふふ…

    青銅鏡眼のない封印の一族だなんて…実に馬鹿げてる…面白い

    一見しても星回りの悪い顔だ!

    ふふ…ふふふ…

 


 

[二ヶ月後]

 

3門将:ふう、うら寂しい夜だな

    こんな日は幽鬼の話で怖がらせるのがぴったりなのに

    お前は余程の事でないと驚かないからな、まあ。

 

カホン:封印の一族を幽鬼話でからかうつもりですか

 

3門将:何しろお前は幽鬼を見れないじゃないか

    怖くないか?みんな怖がるのに

 

カホン:怖がったらもっと怖がる事をしてくるのが幽鬼です

 

3門将:きゃーやっぱ違うな

 

カホン:うん?

    ちょっと待って下さい。あれ何ですか?

 

3門将:なんだよ、こら。今度はお前が俺をからかうのか?

 

カホン:いえ、あそこのあの光です

 

3門将:光?

 

カホン:一つ、二つ…三…四…

    あれは烽火じゃないですか!

 

3門将:烽火が四つ…ふぃっ!

 

カホン:夜襲だー!正北門に夜襲だー!夜襲だー!

    さっきのはなんですか!

 

3門将:火...火砲だ...!

    野渦の奴らが火砲を使った!

    野草食っているような連中が何故火砲を…どういうことだ!

 

ゴングァ:ふふ…ふふふ…ようやく始まったか

    徐々にゆっくりと到来を崩してやる、野渦の手で!

 


 

<ふぃるる先生コメント>

前髪は主人公の特権です!

 

修正日:2023/09/06



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