修羅 :は、はは…
ははははは、敢えて…!
敢えて俺の前でその武具を出すとは…!
相手にならぬ!
この積年の恨み…!
積もりに積もった恨みを…!
日輪に似たその武具で、消せると思うか…!
森羅 :お願いだ!
もうやめてくれ!
修羅 :はははは!可笑しな事ばかりするな、兄者!
兄者も知ってるではないか!我らは繋がってる事を!
俺の魂が傷ついた分だけ、
森羅 :ぐふっ…
修羅 :兄者の魂も傷つき、
俺の魂が消滅すれば、兄者の魂も消滅してしまう!
兄者はそれを恐れて!俺の計画と宿願にそう反対しながらも!
俺が消滅しないよういつも助けてたではないか!
森羅 :僕が、僕が弟者を、
ただそんな理由で助けたと思うのか?
自分の命を守る為にと…?
修羅 :それともまさか家族の絆云々とでも言うつもりか?
兄弟として俺達は実に愉快に過ごしてきたが、我らは兄弟ではないではないか。
森羅 :僕らがたとえ一人を二つに分けたものでも、
僕らが兄弟であり家族でない理由がどこにある!
僕らは好きなものも恐れるものも違うし、考えや性格も全く違うだろう
僕は弟者を確かに別人だと思っている、だけど!
心から、
弟者を心配しているんだよ…。
修羅 :思い違いではないですか
森羅 :僕はもうこれ以上、
弟者を治してやれない!
でも、
寂しく一人行かせもしない!
修羅 :その長い歳月を逃げてばかりいた兄者に何ができる!
何をどうするつもりか!
俺の魂心を貫けば兄者の魂心にも穴が開くし、
俺の魂を燃やせば兄者の魂も燃え上がるでしょう!
兄者が本当に我を阻むというなら、
自ら魂心を握り潰すべきだった!
何かの為に火中に飛び込んだ事もない兄者が!
そんな度胸もないお前が!
そのくせ我を阻むだと!
カウリ:これは…修羅の弱点ではないか
これを何故俺に見せる?
森羅 :何故なら、「坊」。 その子が15歳を過ぎ、白魔地にいるから。
カウリ:この声は…人形師?
何を言ってる!
俺たちは確かに雨和院に…!
森羅 :修羅。 彼が「白魔地」なんだよ
彼は自分の糸を混ぜて全ての狩人を作り、たった一人で居場所を探し根付いた、
全ては彼と繋がっている
だから彼がいる所がまさに「白魔地」なんだ
カウリ:人形師、貴方がどうしてここに?!
森羅 :この空間は… 僕も久しぶりに来たよ
弟者を酷く怒らせた日、「ここ」に初めて閉じ込められた。
ここは「意識」の中というべきか...
弟者が溜め込んだ記憶の糸の塊だよ
より黒く深く濃くなったね
時の糸に編まれずこんなにめちゃくちゃになったんだろう
それは時の糸の気に勝手に絡みつく。 そして吸収するんだ
カウリ:だからこれがずっとくっついてくるのか
森羅 :だがあまりにも暗い記憶故にただ時の糸を飲み込む事しかできない。
結局、編まれる事はない
弟者はこれを利用し記憶の糸を操作するみたいだね。
カウリ:…それで、ここから出る方法は分かってるのか?森羅
森羅 :言ったろう、ここの記憶の糸の塊だって
君の体が別の場所に来たわけじゃないんだ
ここに着いてから見たよ
君、そして君と一体にあるアゲハの意識がこの巨大な記憶の糸に捕らわれているんだ。
弟者が放してくれない限り出られない
僕も三日間ここで泣いて解放されたが、今回は弟者が解放するつもりはなさそうだね
彼に致命的な打撃を与えない限り、ここを出られないだろう
君なら方法が分かるだろう?
僕達の秘密を見たから。
意識だけが捕われていても、魂の領域だからここで行動すれば影響するよ
僕の魂心を攻撃するんだ
僕が力を失えば、
彼も力を失うだろう。
その隙をついてこの空間を出て、
僕の魂心を君が食べてしまえ
僕も、彼も、取り返す間もなく消滅できるようにね
修正日:2023/10/02
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