灰と炎2

火。

この忌々しい熱気、煙

鏡を支えてた神木を燃やし、

我らの山を飲み込んだそれ。

燃え盛る炎。

天の為に飛び込んだあの火の海を覚えている。

天を崩したあの炎を覚えている。

どんなに長い年月を送っても、

その熱さは忘れられず、

数え切れない程の夜を恐怖に震えながら過ごした。

 

 

森羅 :そんなに怖いなら、

    それを僕らの力で作ってしまおう。

    そうすればこれ以上怖くないよ。でしょ?

    だからそんなに震えないで…

    泣かないで…。

 


 

修羅 :この炎は、

    我の力であり、

    我の恐れだ。

    貴様ごときが、到底…!

    この炎に耐えうるものか

 

カウリ:(くそ…)

    (防ぐのがやっとか)

    (しかもこの熱気…)

    (触らなくとも火傷しそうだ。 魂まで燃やす火だ)

    (早くて、)

    (重い)

    (これは、まずい…)

    

    先生…?

 

アゲハ:おいコラしっかりしないか?!

    俺も手伝ってやるからもっと頑張れ!

    頭が二つなのに老いた神仙一人殴れないのか‼︎

 

カウリ:はは…

 

 

修羅 :それは頼もしいな。 そう、やれるものならやってみろ

 

    魂心を突く

    そう、そんな選択肢しかないだろう

    貴様は白魔地での戦いを思い出したのだな

    貴様の武具に貫かれて血を流した俺のことを

    だがそれはその時の話。俺が貴様を見逃してやった時の話よ。

    この火は、俺の魂をくべて燃え上がる火だ。

    俺は火そのものなのだ!

    魂心を突いたところで火が消えるはずがないだろう! 

 

    愚かな時鬼よ! 愚かな子よ!

    天神になったとしても我には取るに足らぬ事!

 

カウリ:くそ!

 

    (魂心を突いてもダメージを受けぬとは、一体どうすれば良い?)

    (畜生、)

    (天神の力を手に入れたのに、)

    (こんなに無力だとは、)

    (何が、足りない…!)

 


 

長老 :来た

 

カルセ:……

    芭蕉将軍

 

番人 :永護将軍

 

ハク :申頭将軍

 

番人 :嘎呀河将軍!

 

~~

~~

 


 

アゲハ:うっ!

    (何なんだろう、この不吉さは)

    (何をどうすれば良いかわからず手詰まりだ)

    (俺も、あいつも)

    (天神の力を手に入れたからって全て上手くいく訳じゃなかった。 くそ、修羅の野郎… !)

 

修羅 :そういや、貴様は兄者の面白い特技を見た事があるやもしれぬな

 

カウリ:何?

    

    これは…

 

修羅 :愚かで、

    間抜けな時鬼め

    天神の力? 笑わせるな

    その魂まですべて焼き尽くしてやる!

 

 


修正日:2023/10/01



コメント: 0