虎首長:…吉兆の気だな
それでいて強い気だ
しかしだからこそ不安だ
この気がもたらす幸福は、誰の為のものかわからないものでな
弱まったな
一体何をしたのだ、時鬼よ。いや…
お前は今時鬼と言っていいのか
天神の領域は... 我々が知るものとは全く異なる
その強い力で何をしでかすかわからない
限りなく澄んだ清らかな気で、罪なき人間を幾度となく眠らせたのが天神だ
それが正に人間の為だとのたまいながら
天神の領域にむやみに手を出すと多大な災いを被る
カウリよ。私を見てよく分かっているはずだ
カウリ:今更、災いを被る事が怖いものか
俺は天神になるのだ
その程度の力がなければ白魔地を倒せない、
その程度の力がなければ反許諾を破れないからだ
俺にはその位の力を持たねば、
こんな風に床を這うわけにはいかないから
アロン:時鬼カウリは白魔地首長の腹に穴を開けました。
それなら天神カウリは何が出来ると思いますか?
セスル:こいつはアゲハが自ら助けた時鬼なんです
そして今度はこいつがアゲハを助けます、首長様
虎首長:ほぉぉ…
確かに、感じる気を見る限り遊んでいた訳ではなさそうだ...
ジンス:ご存知でしたね? 俺が外で聞いていたのを
…… 貴様も当然俺の気配を感じただろう
それなのにそのまま盗み聞きさせておくなんて
俺が雨和院に報告するのは当然じゃないか!
それとも俺なら制圧できるという事ですか、首長様!
俺は山神会の動向を監視する為に山神会にいたんだ、
疫神問題を起こした山神会首長、あなたの監視役だ!
百栄宮の番人が舐められてるのか?
虎首長:断じてそんなつもりはない
ただ時鬼と戦いながら君が叫んだ言葉を信じてるだけだ
アゲハ殿の親友としての姿をね
かなり早くから戦いを見ていたんだ
ジンス:俺も一緒に行きます
アゲハ... 今妖鈴の泉にいるそうですね
本人に会って話を聞かなければ
貴様、時鬼よ
俺を「雨和院」と言っただろう
雨和院が何の責任も取らぬ所のように生意気な口をきいたな
長い間白魔地と直接対立してきたのはまさに雨和院だ!
誰よりも白魔地を倒したいのは間違いなく雨和院なんだ!
だから俺があえて雨和院の代表として、話を聞こう
あくまでもアゲハの話を聞くと言う事だ
カウリ:そっちこそたいそう生意気な男だな
カルセ:…アゲハ
(お前はまた)
(私の知らないところで)
(私が知らない力で)
雨和院女:カルセ先生!
カルセ:はい、何でしょう?
雨和院女:アゲハの部屋から出てきた物です、
すべての調査のために魂死学科に送られましたが...
これは呪術の痕跡が全くありませんでした
アゲハが自分で書いた手紙のようです、
カルセ先生にです
アゲハ:[…カルセ]
[心配するなと言っても無駄だろう]
[でも、俺はこうしなきゃならなかった]
[雨和院は俺の話しは死んでも聞いてくれないから]
[修羅を倒すにはカルセに心配かけるしかないな]
[ごめん]
[カルセが一人で何かを準備してるのは分かってる]
[俺に言えない何かを]
[それはきっと俺の為だろう。いつもそうだったように]
[互いに居場所を知らなくても、俺らはきっと同じ戦いの準備をしている]
[だから一緒に頑張ろう]
[同じ戦場にいると思えば、少しは安心するんじゃない?]
カルセ:お前って奴は、まったく
虎首長:さあ
入ってみよう、
妖鈴の泉へ
<ふぃるる先生コメント>
アゲハの人生の中で最も長く書いた文でしょう、おそらく
修正日:2023/09/30
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